アレルギー

アトピー性皮膚炎
アレルギーは、ダニ、カビなどのアレルゲンに対する免疫機能が過剰に反応してしまうために起こる病気です。このアレルギーの一種であるアトピー性皮膚炎は、アレルゲンに対する体の過剰反応で、遺伝要因と皮膚のバリア機能不全という2つの素因が関わっているのが特徴です。

接触皮膚炎
なんらかの原因物質の接触により生じた皮膚炎のことで、発症した部位に、発疹・発赤、紅斑、そう痒感、刺激感、小水疱などの症状がみられます。

ノミアレルギー性皮膚炎(粟粒性皮膚炎)
ノミが皮膚を咬み、吸血することにより発症するアレルギー性皮膚炎で、ノミの唾液中の成分が原因と言われ、背中に発生する痂皮と丘疹で痒みを伴います。

食物アレルギー性皮膚炎
食物のタンパク質に対する免疫反応が原因の皮膚の痒みで、若い犬で見られ、顔面や腹部が好発部位とされていますが、アトピー性皮膚炎と症状はよく似ていますが、違いとしては、1日3日以上の排便数と軟便・下痢を起こしやすいようです。

蕁麻疹
真皮上層の一過性の浮腫です。かゆみを伴いますが、赤色の浮腫は数時間で消失します。食品や薬、生活環境物質などによるアレルギー反応のものや、日光刺激、温熱や寒冷などが原因です。

猫蚊刺過敏症
蚊に刺された時に蚊の唾液によって起こるアレルギーの一種で、痒みを伴い、耳や鼻に脱毛や湿疹が生じます。

内分泌系

副腎皮質機能亢進症
副腎からのコルチゾールの過剰分泌よっておこる内分泌系の病気で、脱毛や薄毛、膿皮症などの皮膚疾患がおこります。

雄性ホルモン性脱毛症
アンドロジェン過剰症は、過剰なアンドロジェン作用性ホルモンにより生じ去勢手術をしていない雄犬にみられ、一方で、去勢により雄性ホルモンが不足して脱毛する場合もあります。

甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンの分泌不足により、痒みのない脱毛を特徴としています。

成長ホルモン反応性皮膚症
成長ホルモン分泌不足によっておこり、痒みのない脱毛症が頭部と四肢端以外に起こります。特に体幹や大腿後側に起こります。ポメラニアンに多く見られます。

避妊・去勢反応性皮膚疾患
避妊・去勢手術などの手術をした後に、脱毛と角化異常が起こる皮膚の病気です。

毛刈り後脱毛症
毛を刈った後に毛が生えない皮膚の病気です。甲状腺ホルモンも関与しているようです。

上皮形成異常

亜鉛反応性皮膚炎
食事などからの亜鉛の摂取量不足や、消化管からの亜鉛吸収の低下によっておこる皮膚病です。 赤い湿疹が口や目の周りにできることが多く、毛の光沢がなくなったり、毛の色素がなくなったりすることがあります。

皮脂腺炎
皮脂腺(アポクリン腺)に起こる炎症性疾患の皮膚病です。強い痒みや脱毛、皮膚のかさつきなどがみられます。発症は全身でおこり、進行すると広範囲にわたることもあります。

角化症
皮膚の表面にある角質が正常に作られなくなっている状態をいい、硬く、ガサガサになるのも角化症の一つです。角化症の症状は、皮膚が乾燥してガサガサしている、フケが多い、洗ってもすぐベタベタになる、細かい皺が深くなって象の皮膚の様に硬く厚ぼったくなるがあります。

ビタミンA反応性皮膚症
ビタミンAが欠乏することにより発症する皮膚病です。脂漏状態は全身に広がり、体臭を伴い体毛も薄くなることがあります。